さて、反省点などを。

今回のゼミでは主に「出水前後の淵の変化」ということに焦点を絞ってまとめました。
最近の悩みとして、重要な参考文献でもある卜部・村中・中津川氏らの論文の焼き直しになりかねないという問題が発生しています。既に行われている研究がどのようなもので、僕はその論文のどこを衝かねばならないか。やられていない研究はなんなのか、既存の研究の問題点はどこにあるのか。後手に回らざるを得ないため、そういった視点で自分の独自性を確保する必要があります。


それを踏まえて今後の課題としては、
・出水前後の淵の変化を比較することで、産卵床条件が整う淵の安定性を見る
・変動が時期的なものかどうかを判断する
・6月の調査のデータと8月のデータ、10月のデータは違うという事実があるよ
砂防ダム下流というデメリットは?→砂礫の供給が少ない・掘れるだけというイメージ
・砂礫の供給源を流域図に落とし図化する
・生のデータを図化し、視覚的に分かりやすくする
・出水前後で変化した淵は特定できているので、その変化点を中心に見てゆく


よし、なんとなく見えてきた。
独自性、そして研究の方向性という意味で最近沈みがちでしたが、とりあえず9月の末には一応の進む先が見えて来そうです。がんばるぞい。

リプトン先生の口癖のひとつに、「考えても分からないときは新しい知識を仕入れろ」というものがあります。自分の頭の限界を超えて考えることはできないから、詰まったら本を読んだりひとの話を聞いたり調査に行ったりして、脳に新しい情報を入れてまた考えろ――という意味だと思っています。
同じ生物環境学科の助教授で、「Think,Think,Think and Think!」というセリフを教えてくださった方がいます*1。考えて考えて、それでもまだ分からなくても考えるとふっと浮かんでくることもあるよ、という意味だそうです。この考え方も僕は好きです。考えなければなにもしないのと同じことですからね。
ただ、考えるだけではどうしようもないということもある。そういう意味で、僕はリプトン先生の言葉を重く受け止めようと思います。
何が言いたいかと言うと、ゼミは楽しいなぁということです。自分では考えもつかなかったことがぽろりと話の中で出てきたり、意外な方向からのアプローチが見えてきたり。準備は大変ですが、あの時間はとても有意義なものだと思います。

*1:ブナの豊凶予測で名高いK山先生