大雨洪水警報

リプトン先生。全く似ていない訳ではな


演習林は早田川に調査に行ってきました。
今月半ば、演習林内の林道で土砂崩れがあり、その前後の大雨と土砂崩れの影響でどれだけ河床と河道が変化しているかを見てみようという目的です。メンバーは先生を筆頭に、院生のY本さん、Sさん、4年生は僕とGちゃん、N、そして3年生の男性陣3人が初参加となりました。Y口は朝の集合の時点で行く気満々だったにも関わらず、先生の「今日はそんなにひといらないよ」という言葉を受け、自主的に学校に残ることを決意しました。


さて、早田川には砂防ダムが3基あります。梵字川との合流部(早田川では最下流にあたる)から見て、上流に行くに従い下から第一、第二、第三と名称がついています。第二砂防ダムの少し上流に山大演習林宿舎があり、そこからさらにさらに上に行くと第三砂防があります。僕の調査地は合流部から第一砂防ダムまでで、他に対照区として残り2基のダムの間の川も見る予定です。
土砂崩れが起こったのは、宿舎のすぐ下流側で、川沿いにある道路(もちろん未舗装)が崩れ、川に土砂が流れ込むかたちとなっています。現場の上流である宿舎の前の河床もかなり上がっていたことから、土砂崩れからだけではなく、さらに上流の山からも土砂の流出があったことが見て取れました。


僕はSさんと3年生3人と共に、第二砂防ダムから早田川に入り、宿舎までの区間を踏査しました。途中、例によって淵の個数と堤体*1からの距離を計測しながら上流を目指しました。
ちょうどひと月ほど前に同じ区間を踏査していたのですが、大雨による河道の変化はすさまじいものでした。土砂は堆積し、淵は埋まり、大きな倒木が何本も連なっていました。川岸に目を向けると背丈よりも高い位置まで草が倒れており、ここまで水がきていたのかと恐ろしくもなりました。

別行動していたY本さんによると、沢を含めた早田川の水生昆虫はほとんどいなくなっているとのことでした。水生昆虫には流下*2という習性もありますが、それ以上に大水で大部分が流されてしまったようです。彼の修論にも影響が出そうです。


午後からは早田川の支流である大徳沢沿いの林道を登り、上流にある滝を見に行きました。特に誰の調査という訳ではありませんでしたが、何度かその場所に言っているGちゃんとNの「絶景ですよ! 30分くらい歩けば着きますよ!」との言葉に騙され出発。かなりの急勾配を一時間近く歩き、なんとか到着しました。6,7mの高さから一直線に水が流れ落ちており、修に絶好の場所でした。
普段から川ばかり歩いていると、陸に上がった河童の如くすぐに疲れてしまうものだと実感しました。鮎足袋*3履いたまんまだったしなぁ。

調査風景写真はこちら

*1:読んで字の如く、堤防本体。ダムや堰といった構造物そのものを指す。

*2:自分から流れに乗り、下流へと移動する性質。

*3:アユタビ。本来鮎釣りをするときに履くもので、苔や石の上でも滑らずに歩けるよう、靴底がフェルト製になっている。河川研究室ではひとり一足が義務付けられている。お勧めはSFC製のものかGETT製のもの。