あの夏の晴れた日、鈍行列車を待った無人駅

遠い未来に思い出しても、あれが夏だった――そう思い出せそうな日でした。僕は朝から晩まで煌めく太陽の下で動き回り、汗をかいて、さんざん日焼けしました。この浅黒くなった皮膚は秋を待って落ち着くだろうけれど、後々今日のことは学生時代の夏のお手本のような一日として思い出すことができそうな気がします。
という訳で今日は夏休みの日記形式で。


朝4時、早起きして寮の先輩方と一緒に高館山*1へ。昨晩仕掛けたカブトムシ用の蜜トラップの様子を見にゆきました。結果は0匹でしたが、朝の山の濃のい空気を感じることができたので満足です。


朝5時に帰寮。寝不足ながら遊び足りない僕は、ひとり車を走らせて赤川へ。羽黒橋下の川原でカジカ捕りをしようと思ったのですが、肝心の箱メガネを忘れてしまい、水浴びに目的を切り替えました。流芯に飛び込むと強い流れが僕を下流へを押し流します。僕は水中メガネの向こうで、薄く濁った朝の水と、その中で群れる若いアユを確かに見ました。


朝6時に帰寮。もう一度布団に入り、二度寝を楽しみます。


10時半起床。強い日差しに布団を干し、バイトの準備を始めます。昼からは山形放送のアルバイトで、ビーチバレーの国体県予選中継のための設営補助にゆく予定なのです。
友人、後輩と連れ立って湯野浜へ。週末・好転・綺麗な砂浜とくればあとは水着のお姉さんです。目の保養の効果もあって仕事はさくさく進み、二時間程でやることを終えてしまいました。


午後3時半、一旦寮に戻り、研究室のTちゃんの調査で酒田市最上川河口砂州の植生調査および測量に行っているメンバーを追いかけます。Gちゃんと合流し、一路酒田へ。4時半に砂浜に到着し、僕は着替えて海へ、Gちゃんは調査に出ているメンバーと合流です*2
温かく肌を優しく包んだ海水は、思ったよりも透き通っていました。僕は何度も水中メガネの曇を拭いながら、少し沖へ出て潜り、水底を蹴っては海面へ、また潜っては水底を蹴るという遊びを続けました。水底から見る海面は太陽が乱反射する天井のようで、僕は息が苦しいのも忘れて見入っていました。



午後6時半、浜辺を出発して大学へ戻りました。疲れた顔のみんなと分かれ、晩御飯の買い物をして寮へ帰ってきました。
後輩はテスト期間でてんやわんやのようですが、僕は今日一日で海・山・川の全てで遊んできたことになります。あまりにも贅沢すぎる一日でした。まだ頭の奥に水の匂いが残っているような気がします*3
明日は朝からまた湯野浜でアルバイトです。暑い暑い一日が、暑い暑い夏の日が僕を待っているような気がします。

*1:鶴岡市大山にある、さほど大きくない山。大山公園という自然公園の中にあり、ふもとには上池・下池という沼があるなど、植生がゆたかで生きものに恵まれた環境にある。なお、友人Fが所属する森林生態研究室(リンク「Must」管理人)の主な調査地でもある。

*2:後で聞いたところによると、みんなはひととおりは遊び終え、ちょうど調査に出かけていったときに僕たちが到着したとのこと

*3:feauturing by みずいろ 1 (コミックス)・加藤くん