窓の外ではリンゴ売り

蝉の声と雨音で目が覚めました。鶴岡ゆかりの作家、藤沢周平の作品に『蝉しぐれ』があります。蝉時雨という言葉そのものの意味は「たくさんの蝉が鳴いている様子を時雨に例えたさま」とでも言えばいいのでしょうか。美しい言葉です。
今朝は蝉時雨ではなく、蝉と時雨の音で目を覚ましました。降ったり止んだり、鳴いたり止めたり、寮の僕の部屋には冷たい空気が流れ込んできます。時折雨脚が強まるのと蝉が声を張り上げるのが重なる瞬間があって、なんとも言えず胸が一杯になります。夏だなぁ、最後の夏だなぁ。