宇宙少年

雨上がり、青い空が広がっています。ヒグラシの声が真上から降ってくるような、そんな突き抜けた空です。
という訳で今日は息抜きに読んだこの本の紹介を。

夏のロケット (文春文庫)

夏のロケット (文春文庫)

宇宙に対する憧れは、もしかしたら誰もが一度は抱くものなのかも知れません。理系や文系、男女という分類に捉われず、いつもそらは僕たち人間を惹きつける要素をたくさん持っています。
この本は、その憧れを大人になっても忘れることのできなかった5人の男たちのお話です。普段SFやミステリーを読まない*1僕ですが、ぐいぐい引き込まれるように読みきってしまいました。主人公が記者ということもあり、説明口調や新聞記事の要約のような部分も多いのですが、それが全く負担にならない書き方は非常に参考になります。こんな文章書けるようになりたい。
材料工学、ロケット工学などの専門的な部分においては残念ながら詳細に理解することができませんでしたが、エポキシ系アブレーターが何か分からなくてもこのお話の面白さに変わりはありません。

僕自身、あさりよしとおの『まんがサイエンス〈2〉ロケットの作り方おしえます』を「学研の科学」でリアルタイムに読んでいた口でした。思えば科学に対する興味が培われたのは間違いなくあの漫画に一因があったように感じます。今の小学生もたくさん読むといいよ。


ちなみにこの『夏のロケット』にインスパイアされた形で、先のあさりよしとお氏が『なつのロケット』という作品を描いています。こちらは小学生がロケットを打ち上げるお話。
ジュブナイルという言葉がよく似合います。このひとは少年を描かせると本当に格好いいんだなぁ。

なつのロケット (Jets comics)

なつのロケット (Jets comics)

*1:ほとんど全然。最近は甘ったるい小説やエッセイ、童話ばかりです。ところでライトミステリーってなんですか?